2023-12-12 沈黙と表現 名前は社会からあたえられる。しかし、それは便宜的なものだ。名前をまだつけられていない状態の自分から、つねにあらたに考えてゆかねばならない。(30頁) 黙っている人間は、ただ黙っているだけじゃなくて、沈黙のなかの記憶というのはあるんだ、ということですよ。/満州事変からずっと、少しずつ動員されて、大勢の人が死んでいる。その記憶が集積されて、一九六〇年に爆発点にきたんですよ(284−285頁) (『戦争が遺したもの』鶴見俊輔・上野千鶴子・小熊英二、新曜社、2004年)