2014-01-01から1年間の記事一覧

『街の人生』

最近読んで面白かった本の序文。 私たちは、自分の人生をイチから選ぶことができません。自分の性が生まれと異なること、ゲイであること、摂食障害になったことは、選んだ結果ではありません。風俗嬢は選んでなるものですが、そこに至る人生の必然的な過程と…

平井さん

今年は金木犀が早く咲いて、早く散ってしまった。 いつも村の祭りの日にはその匂いがするのだけれど、今年はちがった。 そのかわり黒いアスファルトの上には、 ケーキの上の粉砂糖のように、鮮やかなオレンジ色がふりかけられている。 前夜、鳥取の街では平…

いろいろな場所で

神楽坂に麦マル2という店があった。 今もある。 高いマンションの麓にある古い家屋を改装した店で、 まわりには蔦がはっている。 大学のときから、アパートまでの帰りによく寄っていた。 店に行くと店主はいつも銭湯に行っていていない。 常連さんが迎えて…

よく見る、ということ

大阪にある星ヶ丘洋裁学校で西淑さんの展示をしていて、 その会期中7月27日に行われたイベントに参加してきた。 その日は西さん以外にも、 食べ物を出す食堂カルン(鳥取)と飲み物のアグネスパーラー(東京)、 それからジブリの映画に出てきそうな星ヶ…

一度失われたものを、取り戻そうと思うかどうか。 日本に平和主義の理念が定着していたかどうか、 わかるのは、これからになるように思う。

青葉市子さん

6月1日、鳥取のわらべ館で青葉市子さんのライヴがあった。 その声の深さ・普遍性が、まだ若い一人の女性から発せられる不思議さを感じた。 もうひとつ印象に残ったのは、 時折漏れる歌い手の吐息までが音楽の一部となって、 その人がそこに生きることその…

特別な

先日「初任給」らしきものをもらったので、 鰻を買うことにした。 誰がいつ始めたのか知らないが、日本には、 初任給で家族に何かをプレゼントするという(やや面倒な)風習があるからだ。 自分の場合、いま現在の仕事が「初任」なのかどうか疑わしい。 人よ…

親子

昨日食堂カルンのライヴで原田茶飯事さんが歌った「さようなら」 とてもよかった。 作曲は谷川賢作さんだったのか。 隣の席に生まれたばかりの赤ん坊を抱いたお母さんがいて、いろいろなことを思った。 さようなら 谷川俊太郎 ぼくもういかなきゃなんない す…

わからない

京都を離れる。 なぜ、こんなにも完璧な街を、離れなければならないのか。 自転車を漕ぎながら、まだ気持ちの整理がつかない。 鴨川の橋上からそびえる山並み。 東山を溢れる、流れる水の音。 銭湯へ行けば感じる、苛立ちと落ち着き。 どうしようもない喫茶…

無限

気になったので引用。 芸術とは何か。 それは無限と向き合うという経験です。 それは人を孤独にする。 それは暗闇の中で人知れず戦う経験だからです。 でも、それと同時に、それは、作られ、作り手から独立し、 一個の堅固なモノとなってみると、今度は人と…

日本と理念

最近の政権や選挙を見ていてしみじみと思うのは、 日本って本当に理念のない国なのだなということ。 例えばアメリカ国家には「自由と民主主義」、 フランス国家には「自由、平等、友愛」という理念がある。 だから一度国の方向がまずい方に向かっても、戻る…

輝き

あるフリーペーバーで見つけた言葉。 輝きについて。 東京の人たちが放つ緊張感が好きです。 積極的な意志を持ってやりたいことをやっている。 野心があるから緊張感も増す。 消去法で仕方なく何かをやっている人は僕の周りにはほとんどいません。 女性もキ…

音楽

音楽とは不思議なものだ。 ただの音のつらなりであるのに、 ある種の宗教性すら感じることがある。 ここで宗教性というのは、人間の孤独を癒してくれる、というくらいの意味だが、 どれほど孤独を感じている時でも、 ある種の音楽は聴く者をその世界の中に連…