2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

桜の木の下で

花見の場所とりをしつつ、久々に中原中也を読んだ。 春にはあまり似つかわしくないが、やっぱりよい、 と思ったのでなんとなく引用 夏 血を吐くような倦うさ、たゆけさ 今日の日も畑に陽は照り、麦に陽は照り 睡るがような悲しさに、み空をとほく 血を吐くよ…

春になったら苺を摘みに

最近、自転車に乗るのが好きだ だいぶ前から、自転車は自分にとって単なる移動手段になってしまっていたのだが 井の頭公園の坂道を走っていて じんわりとむかし感じていた楽しさが思い出された 小さい頃は、どこにいくともなく同じ道をぐるぐると走り回って…

「父」と「子」の演劇

東京芸術劇場で、マレビトの会の『声紋都市-父への手紙』という芝居を観た。 演出を担当する松田正隆さんの、実の父親をテーマとする芝居だった。 その意味では、このプログラムはごく私的なものといえる この芝居は、サブタイトルの由来ともなっている、フ…

ジンチョウゲ

初春の空気感をいつも不思議に思っていたのだが その原因が花の匂いではないかと思い至ったのは、やっと今年のこと。 細く入り組んだ近所の路地を、水のように、甘くさわやかな匂いが満たしている 咲いている花を鼻で探してみたけれど 梅でもなく、椿でもな…

映画と希望

・セドリック・クラピッシュ『PARIS』吉祥寺バウスシアターにて 希望を感じさせてくれる映画が好きだ しかし「希望」とはなんだろうか? それは、「この世界にもう少し生きていてもいい」と思わせてくれるものだ くわえて「絶望」とは、その希望が消えたとき…