2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

この頃の(つづき)

父は白瓷をしている 先日必要があって轆轤(ろくろ)による成形の場面を見た 二十数年もその傍で暮らしていながら 轆轤の工程を正面からきちんと見るのは初めてだった 成形は制作のすべての工程の中でも、特に目を惹く工程だ 轆轤の上におもむろに置かれた緩…

この頃

夏になり、家の軒下に朝顔のため屋根まで紐を張った 不思議なもので 朝顔は、誰に案内されるでもなくその紐を自分で見つけ出し、それに巻きつき するすると屋根の方に向かってのぼっていく 朝顔は、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』の話を想起させる様子で、 まっす…

加藤周一の文体

村上春樹の『1Q84』を読み終えてしばらくたつ。 この作品について、なにか自分なりに言葉を発したいと思うのだが まだうまく形にならない ある文学作品について何かを語るとは、そもそもどういうことかよくわからない、 それが理由のひとつだ 作品について言…