外の言葉

穂村弘の言葉、「美術手帖」2018年3月号の鼎談で。

芸術にとどまらない、社会的なユートピアを夢見る意識。三島由紀夫にせよ寺山修司にせよ、ある世代まではこの「現状を覆す」感覚を当たり前に持っていた。それが急速に薄れたのは「コンテンツ」という概念が出てきた頃。この後の前提にあるのは、現況の社会システムは完成形に近く不変で、そこに盛られる中身が入れ替わっていくだけという体感です。そこでの「神」とか「クソ」とかの評価は顧客満足度のこと。この枠組みの外に出ようとするのが、表現の革命幻想では?