曽我部恵一

廃校フェス」で、初めて曽我部恵一をみた
彼はアコーステイックギター一本で、一人でステージにあらわれた
その姿からは、いろいろなものが削ぎ落とされた成熟さのようなものが感じられた


当初は聴衆もその異様な立ち振る舞いにたじろいだようだったが、
いつの間にか体育館にいた全員はのみこまれていたように思う


ステージの最後には、もはや音楽の良しあしなどほとんど関係がなかった
(いや、もちろんサニーデイ・サービスの歌は良いのだが)
それすらも削ぎ落とされてしまっていた
目の前にはただコーラスを叫ぶ曽我部恵一がいて、まわりには叫んでいる観客たちがいた
それに気おされながら、音程を確認しつつ声をしぼりだしている自分がいた


同じことはすべての分野でいえるのかもしれないが、
音楽は、ある瞬間に音楽を越えことがあるのだと思う