生と死

ノルウェイの森』第二章にゴシック体で強調されていて、とても目を引くフレーズがある
主人公の親友キズキの死をめぐる一節なのだが、
それほどまでに強調される意味が、あまりよくわからなかった
いまだって完全にわかったとはいえない
けれど初めて読んだときから、このフレーズは頭のどこかにずっとひっかかり続けている


「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。」


死者はもう生きることができず、死者にとっては生も死も、もはや意味をもたない
「死者そのもの」は存在していない
死者はただ、生者の記憶の中にのみ存在している


生も死も、それが真に意味をもつのは、現に生きている者の間でである
そして自分はまだ生きている、生きることができる、だから自分は生きなければならない。
いつかこの生を終えるときが来るまではずっと


必ずしもフレーズの正確な意味はこうではないと思うが、
今日、不意にこういう解釈がしたくなった