友部正人の音楽

今日、たまたま車の中で友部正人のCDを聴いた。
どうしようもなく心が乱れ、
好きだったはずの音楽さえ不快なノイズに聞こえるようになってしまう、
そんなことがあったとき、
よく友部さんの音楽を聴いていた。
森山直太郎は、どこかで友部さんのことを、「本当の静寂を知っている人」といっていたけれど、
僕は、友部正人の音楽は「やさしい」と思う。
といっても、決してべたべたしたやさしさではない。
声はしゃがれているし、詩もいまいち意味の分からないことが多い。
いわゆる「癒し系」とはちがう。
友部さんの音楽は、たとえばこう言えばいいのかもしれない。
ちょっと使い古したくらいのバスタオルの方が、
おろしたてのタオルよりもよく体になじむし、しっかり水滴を吸収してくれる、
そういう感じに「やさしい」のだ。
すごく自然にすっと自分のなかに入ってきて、いつのまにか寄り添ってくれている。
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いま、自分の心の平静を、なんとかして保つだけで精一杯の人が、おそらくこの国にたくさんいると思います。
そんなとき、もしチャンスがあれば、友部さんの歌を聴いてみてください。
すこしだけ、気持ちを軽くしてくれるのではないかと思います。
(もちろん、万人が僕と同じように感じるかどうかわわからないのですが・・・
ちなみに僕の好きな曲は「朝は詩人」「六月の雨の夜チルチルミチルは」です。)