2009-04-19 目についたので 〈明日が確かな足どりでやってくれば この街は住みなれた街になり つと石段のうえに佇ちどまって 空と夕陽を視上げることができる〉 ふと通りすぎるこの救済の思想に押されるな いつも今日とおなじ形でおなじ異空間のなかで 出遇ったひとに呼びかけられると ほんの一瞬おくれてこわばった貌の筋肉をときほぐし しずかに微笑をかえす こころよ 生涯はこの一瞬のおくれのなかにある) 「告知する歌」に書かれた吉本隆明のこの一節を、 こころにとどめておきたいと思った