最近読んだもの
内田樹さんの『日本辺境論』を買って読んだのだが、
期待しすぎたせいか、内田さんのいうことがだいたい予想がつくようになってしまったせいか、
あるいは自分の考えていることとそんなに違ったことがいわれていなかったせいか、
個人的にはそれほどおもしろいとは思えなかった
ただ、前に『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』を読んだときに思ったことが明快にまとめてある箇所があったので、ここにメモしておこうと思う
「敵」についての考え方として興味深いし、的を得ているのではないでしょうか
無傷の、完璧な状態にある私を「標準的な私」と措定し、私がそうでないこと(つまり「今あるような私」であること)を「敵による否定的な干渉」の結果として説明するような因果形式、それが「敵」を作り出すロジックです。
「敵」はこのロジックから生み出される。
「敵」とは実体ではなく、「原因」で「結果」を説明しようとするこのロジックそのもののことである、と言ってもよいかと思います。
(『日本辺境論』新潮社新書、175頁)
ここだけ読んでも、なんのことやらかもしれませんが、
戦争はだいたいこういうロジックを使って起こされているんだろうなと思います
(もちろん、ことは戦争に限りませんが)
あと比較的最近読んだもので面白かったのは、
加藤典洋『日本風景論』(講談社文芸文庫)
見田宗介『現代社会の理論』(岩波新書)など