『何も変えてはならない』

ユーロスペースペドロ・コスタ監督の新作
『何も変えてはならない Ne change rien』を観てきた。
ペドロ・コスタ作品は、
フィクション/ドキュメンタリーという既存の境界を踏みこえるような作風が魅力的だが、
今回は何といってもタイトルが良い、と思った。
映画の内容自体は、ジャンヌ・バリバールの音楽活動の「ドキュメント」といえるようなもので、
映画の内容自体にタイトルが直接反映されているわけではないと思う。
けれども、「何かに対して忠実である中で変貌する、変貌する中で忠実である」
というタイトルに込められた意味を語るペドロ・コスタの発言には、
なにかうなずかされるところがあった。
「すべてが異なるために、何も変えてはならない」[これが完全なフレーズ]