上映会

10月15日(金)夜8時半から、
国立の「れら」というスープカレーの店で、映画の上映会をすることになりました。
上映後、なにか食べたりしながら、みんなで映画について雑談する予定です。
上映されるのは『日本心中』(大浦信行監督、2001年)。
僕が紹介文を書いたので、宣伝がてらここにもそれを転載しておきます。

日本心中。仰々しいタイトルだと思った。それに、もしかしたら少し眠くなったりするかもしれない。映画に対して最初はちょっと腰が引けていた。けれども、監督の狙いは、この映画を通して日本の「近代」を描くことにあると知った。それも「触覚的」に、だという。それを聴いて、一気にこの映画のことが気になりだした。映画の主役は、最近亡くなった、美術評論家針生一郎。舞踏家の大野一雄も共演している。針生は戦前「日本浪漫派」の保田與重郎に傾倒し、戦後は転向して共産党に入党するという過去をもつ人物だ。映画のタイトルの由来は、彼が日本と心中するほどにまで「日本を丸ごと抱え込んでしまった男」だからだそうである。「だそうである」などといって申し訳ないが、筆者は針生氏のことについてほとんど知らないし、映画もまだ見ていない。しかし、彼の中に日本の「近代」がどのように抱え込まれていたのか、知りたいと思う。というのも、ポスト・モダン(近代以後)と言われて久しいが、「近代」が本当に終わっているのかさだかではないし、いまこの時代にまで「近代」的なものが連続している可能性が十分にあるからだ。もしいまこの世界が何かに行き詰まっているのならば、未来の世界について考えるために、その「近代」というものに「触れて」みたい、そう思う。映画のなかで韓国と日本を往還しつつ語る針生氏と共に、いま、日本に生きる他の人たちと、それができれば幸いです。

ご興味のある方はぜひ。