倉敷

倉敷へ行ってきた。
友人の結婚パーティーに参加するためだ。
午前の披露宴が終わった後にギリギリ間に合って、羽織袴姿の新郎にわずかにお祝いの言葉を伝え、
夕方のパーティーまで一人で時間をつぶした。
パーティーは倉敷のイタリアンレストランで行われ、夕方五時になると主役の二人があらわれた。
結婚ということでけっこう気負って参加したのだが、
パーティーで再会した友人は、いつものままだった。
いろいろ着飾ってはいたけれど、いつもと変わらぬまま登場し、着席し、
結婚してしまっていた。
なんだかそれが当たり前すぎて、一人で勝手に呆気に取られていた。
「結婚」というともっと厳粛で、圧倒的で、一挙に世界を変えてしまうような、
そんな風に思い込んでいたからだが、
それはすこし考え違いをしていたのだろう。
たしかに結婚によって世界は変わるかもしれないが、
それはごく緩慢に、日常の連続性のなかで変化していくものであるはずだ。
突然二人がびっくりするほど変わってしまうはずがない、
と、内心このようなことを考えながら、
人見知りにとってはどうも苦手なビンゴゲームをしていたのでした。
二人の幸せをお祈りします。
(ちなみに倉敷で蟲文庫という古本屋に行ったのだけれど、とてもよかった。
本の品揃えもいいし、友川カズキテニスコーツのCDなども置いてあります。
それと聞いたところによると、店主はコケの研究者なのだそうです。
それもまたすごい。)