『ライク・サムワン・イン・ラブ』

終映日に駆け込んで、
アッバス・キアロスタミ監督『ライク・サムワン・イン・ラブ』を観てきた。
主人公の老人は恋愛のようなことをしてみたくなって、
高級デートクラブで若い女性を紹介してもらう。
けれどその女性には同じくらいの歳の恋人がいて、
その男に女性の祖父と勘違いされ、老人は二人の関係に巻き込まれていく。
そうこうしているうちに彼は本当に祖父のような役目を引き受けるような形になるのだが、
男に女性と老人がデートクラブで出逢ったことがばれてしまい、
怒った男が老人の自宅に押し掛けて家の窓ガラスを割る、というところで話は終わる。
これが映画の大まかなストーリーなのだが、
結局最後まで老人と女性の関係はよくわからない。
監督が何を言いたかったのかもよくわからない。
タイトルの "like someone in love" 「恋する人のように」も、
恋をする人たちが描かれているということはわかるのだが、
末尾の「ように」がわからない。
「ように」何なのだろうか。
いろいろわからないことばかりだが、驚きを与えてくれる映画で、けっこう好きだなと思った。
映画の中にはたしかにキアロスタミ監督の時間が流れていた。